解離/ひだかたけし
毎夜の悪夢の恐怖に貫かれたぼくの意識がほどけ
幼い舌と舌を草むらで濃密に絡め合ってるだけで
ぼくの悪夢の自己意識は恍惚と蕩けた〉
いつしか親密な繋がり
は、
断たれてしまった
からこそ、
形骸化した情慾は今
妄念と化し時に荒れ狂う
お経を唱え続けている
分厚い頬晒す坊主たち
純白に光る布団に荒い息をして立ち上がる私は
まるで薄い膜の内に居るようで
意識が魂が未だに肉にうまく嵌め込まれないでいるのを感じる
膜の向こうの世界では雨が降り続け
お経は止まない
鉛の味する遠い意識の散乱
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