私だけじゃなくて/月夜乃海花
何千回、何万回
「死にたい、死にたい」
と私はずっと想い続けた
初めて母に「死にたい」と言った小二の春
「じゃあ、一緒に死のうか」
あまりに簡単な返答だった
人の命は鳥の羽よりも軽いのか
それ以降、人には「死にたい」と言わなくなった
だから、ずっと人前では笑顔で居ることにした
「育て方を間違えた」
「全部お前のせいだ」
中学で不登校になっても
高校で虐められても
成績が上がらなくて土下座をさせられても
ただ這いつくばって生きていた
大学では教授に
「君、社会人としてこのままじゃやっていけないよ」
と何十回も言われ続けた
何度も包丁と一緒に寝て
川の
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