行きつけの無題/祐伸
以心伝心ほど浅はかになってしまうものはないかもしれない
お香では足りず煙草をスパイスに
どこそこのバーテンダーは閉店営業中
目をつぶったまま隣り合う着色の液体を流し込んで
今日も一日 街は及第点を取れなかったと
注釈し合う
生々しい言葉はモップで拭き取りたいんだ
良い夜も悪い夜も怠惰
街灯が見せる点滅は
排他的でいて 欠伸をしていて
キーボードを叩けば
思考も止まる
議題も無くなる
旋律も忘れて
ただ眠くなる
ありのままで居てくれ
それはちょっと難しいね
酒はアルコールと一緒に
見えるはずの無いエアも流し込んで
掘り進めた計画も白紙にしようとして
結局吐くし
シャープォンスプリング
僕のこの1年は
それでもビールを呑んでやっと始まったのであった
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