孔雀/アラガイs
 

生まれたときは黒曜石のかけら

溶け出した粘綿のように

光の粒が眩しかった

唐突に
 知覚らは認識の文字を学び

記憶を辿ればただの生き物と叫ぶ

そこはかとなく 溜まる泥水のよう
             浸るままに
            
人はそれをこの世界と詠む

 単衣にふりかえる

ふりかえると幾人ものわたしがいて
         
      朦朧と痕跡にゆれる羽織

やわらかな錫
   波の気配に打ち消された

               ※ 世の中は狭い、空間だらけでオノレと言うからにはオノレでなくてはならないのに俺は何を血迷ってしまったのか跳べもしなければ翅も拡げられない 幾筋もあるアタマに流れる血管はセメダインのように固まってしまったどれが俺なのか、ああ泣けよ泣くなよ、オノさん。オノさんのように跳べるメタルな頸を持ちたい。










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