Happy Birth 4 stations/komasen333
けた瞬間、眼前は無数の揺り篭から、無数のランドセルを背負う小学生の集団に変化した。広大なホームを黙々と歩んでいく色とりどりのランドセルたち。千とか万とかいう数では収まらないランドセルの群れに唖然としていると、「次の駅へ」と老紳士に肩をそっと叩かれ、再びメトロに乗り込んだ。
次の駅に着くまでに、私は老紳士に向って矢継ぎ早に疑問をぶつけていった。「このメトロやホームはどういう仕組みなのか?」「あなたは一体、何者なのか?」・・・尽きぬ質問を柔和な笑顔でかわし、無言を貫き通す老紳士。こちらから何を聞いても答えてくれそうにない。「そろそろです」という声とともに、メトロは「ろう」と書かれた次の駅へ滑り込
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