どうしてこんなに暗いのかしら/ただのみきや
に
永久凍土でありますように
高速バスから
落葉した白樺と針葉樹が斜面を覆う峠路
その合間の所々に鬱金色の樹々が見える
まだらに垂れこめる雲の下
どこからか陽射しを集めたのか
仄かに灯るように枯れている
少し下には川
まだうすい雪野原を割って夜のように
黒く滔々と
*
トンネルからトンネルへ
合間に見えるものは山と樹と雲
ここにトンネルを通し
送電線を通した人間が
自分とは別次元の
超人類のように思えて来る
*
雲下の山並
雪を被った針葉樹が続く
クリスマスツリーを連想するのは
たぶん幸福な子どもたち
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