東川町の辺り一面畑のライブ/板谷みきょう
 
軽自動車で
唄い流れていた時
今のような
音響機材一式を
積める軽バンじゃなかったから
寝袋とギターと唄本と
衣装だけで移動していた

一番困るのは寝る時
宿なんかに泊まれないから
知人の家や主催者の家
唄い先で知り合った客の家
そこで
一宿一飯にあずかるのだ

最悪
車中泊になるのだが
体を伸ばせないで眠るのは
結構、辛いものだ

それに冬はきつい
だから唄い歩くのは
雪が溶けてから
降る前までの間に
限定していた

“実りの秋”と言うが
秋口は良いものだ
頂き物が豊かになる

車中泊が続き
一宿一飯にあずかれず
どうしても横になり
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