No Worries/板谷みきょう
 
感じだった

そんな中で大した意味もなく
「アメリカ人ですか?」と
尋ねたボクに
不快感を露わにきつい口調で
『オーストラリア人です。』
そう言って去って行った

「そんなに怒んなくても…。
なんて
料簡の狭い白人だ。」
そう思いながら
ホテルを後にした後日

ススキノで唄っていると
酔客に突然
『お前。朝鮮人だろっ!』

「日本人ですよ。」

『いいや。顔を見れば判る。
お前は朝鮮人だっ!』

最後まで酔客は
日本人だと認めてくれなかった

同じ黄色人の
アジア人だけれども
処理できない
複雑な思いが残ってしまったその時

オーストラリアから来たあの時の
白人の気持ちが分かったような気がした
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