指がさす方角には/こたきひろし
 
左右の手足の指は五本ずつ
合わせたら十本

それはいつ何度数えてもかわらない

勿論例外は存在するでしょう

だけど申し訳ありません
例外は外します

人は利き手の指を使い
数をかぞえるでしょう

一から九迄
それから1つ先は一に零を付けて

数を数えだすと必ず足らないものが出て来るんです
何度かぞえても
それは足らない

なぜかその足らないものが心の重しになって
重さは増していく
それが人生なんだと
悟ってしまいました

自殺志願者の多くは人生に絶望している
勿論
死そのものに魅入られてしまい
引きずり込まれてしまう例外は存在するでしょう
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