初めての告白/板谷みきょう
 
向かう

志村さんの横を通る時に
「卒業したらボクと
付き合って下さい」と
言ってしまったのは
本当に二度と会えないと
思ったからだった

志村さんの困った顔と
どよめいてるバスの中で
ヒロちゃんが言った
「志村さん。亀谷君と付き合ってるしょ。」

あぁ。
そうだった。
付き合ってたんだ。
カーッと火照ってきて
頭がジンジンしながら
「それじゃ。元気で。」

そう言って振り向きもせずに
バスを降りた。

高校卒業後に通った夜間の
看護学校で志村さんと
偶然、再会したけど
話し掛けられもしなかったし
ボクも
気まずくて
声も掛けられなかったけど

その時も
可愛いくせ毛だった
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