初めての告白/板谷みきょう
 
中学の卒業式を終えて
通学バスに乗って
其々が停車場で
降りていく

終わり頃に降りる生徒は
後ろの席に溜まっていた

卒業証書の入った緑色の
筒を片手に
高校への夢なんかを
語っていた

小学校から
英語の塾に通ってた
加工場の娘の島さんや
自転車屋の渡辺のヒロちゃん
白川さんや亀谷君
それに
くせ毛の可愛い志村さん
みんな
別々の高校に進むんだなぁ
そう考えてたら
急に
もう二度と
会えないんじゃないかって
寂しい気持ちになってしまった

ボクが降りる停留所は
ボク一人だった

バスから降りる為に
後ろの席から
前の昇降口に向か
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