そして鍵の形はいつも同じではない/ホロウ・シカエルボク
ゃなかった、それは俺の気をふれさせようとしているものではない、俺を保とうとして仕組まれたプログラムだと、そう考えていた、現実にそんな出来事が俺を危ういところに連れて行ったことなど一度もなかった、そこに身をゆだねればなにかしらの気づきがある、と、この闇程度には濃密に求めてきた人生の中で俺はそういう実感を得ていた、言葉が何かを伝えるというのは幻想だ、だから繰り返される、すべての現象にはそういうからくりがある、だから更新され、繋げられていくのだ、そこにもしも最終到達点があったとしたら、人間などもう生まれてくる必要はないはずだ、いや、もしかしたら、今現在そうした、間引きのような作業が行われているのかもしれ
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