ふみんふーみん/道草次郎
大した神様だったよ
「片隅」午前4時
それでもなお
それでもなお
銀河系の辺縁で
かつて殺し殺されたものが
再び殺し殺し合う時
天の歴史はまた一つ
くろがねを増す
トントントン
トントントン
お祖母さんの肩たたき
笑い笑われ
しずかに時は流れ
また一つ
風のコリがほぐされる
ハラハラと
ハラハラハラと
舞う木の葉
冬の足音また一つ
高鳴る鼓動は
きざはしへ駆ける
「なつやみ」午前5時
きおくのかたすみ
すいかのにおい
すだれとひるね
いとこたち
あさのくさいきれ
らじおたいそうだいいち
あふれるきたい
ざしきのこわさ
ちちのおもかげ
もくもくとそらにわく
にゅうどうぐも
その
でっかいきぼう
「温室効果」午前6時
いちどは
純粋に泣いたんだ
生まれた時に
二酸化炭素の充満した毛布の中
三時間かけて
搾り出したのがこれ
そんな眠れない夜に
もう一つの
安定した夜を代入して下さい神様
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