足元に熱/犬飼敬
このまんま消えちゃってもとひかる針で潰した汗疱の冠
ノコノコもキノコもはじく虹色になれる薬を煮てるグルグル
無敵のひとになりたいねって虹色のデコトラ2人でくっついて寝る
ここにいていいよの所だけ抜いてタブロこんなに膨らむなんて
うなずかないで言葉でくらい1人を溶かした純粋な紙を食べたい
私って書くときの不慣れな感じは画数のせいだと知る秋に
熱をくれるなら足元に 指先は燃えるしまぶたじゃ光りすぎる
さみしいを書くとき音符ばかりとは気づかれないはずの吹き出し
爪先は氷の女王から盗んだ靴で自首は4月に
遠くから近付かないで散らないで命のバラホワイト飲みなよ
伸びゆくことに誰も文句は言えない膨らみかけのヘルペス触る
背に合わせ目のあるシャツ 肩幅の余(注:あまり)が救われてゆきぬ
シャクガは息に逆らって飛ぶ 地下は明るく嬉しい
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