葱トリック/月夜乃海花
 
つも側に居たというのに。

私は、そっと涙を流した。愛しいネギに向かって。
違和感に気づかなかった自分の傲慢さと無注意さを反省して今後は、

ということも特に無く、その後玉ねぎについて調べてみた。そして、玉ねぎ畑の画像を発見した。

その畑の玉ねぎはいわゆる玉ねぎと呼ばれる部分の上にネギの葉が生えていた。むしろ、玉ねぎは葱の根っこや球根であり、実際の玉ねぎの本体はネギの葉のように見えた。そう、私があの日見たネギだ。

一つ可能性が増えた。

あの日見たネギはどの葱であるか?

ということである。

もう、私には解き明かす力は残っていない。

決して、葱について考えるのが飽きた訳では無い。決して、頭の中が葱の匂いで充満して頭がどうかしてしまった訳では無い。決して、長ねぎと玉ねぎとネギの涙で頭がおかしくなった訳では無い。
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