葱トリック/月夜乃海花
んだよ。」
本日、母と前述のネギについて話した。
「流石、東京すげぇわぁ。」
母の感想はその一言だけだった。私の当時の東京での納得はどうやら遺伝だったようだ。そして、そのネギについて話していて気づいた。
「どうして、ネギの緑色の部分だけ落ちてたのだろう。」
「落ちたかったからじゃない?」
母のネギ自体が落ちたかったという願望説もあったが、それよりも私は矛盾が記憶の片隅にこびりついていて仕方なかったのである。
「普通、ネギって緑色の部分だけで居ることってある?」
これは母に対しての私の会話の台詞であるので、わかりにくいであろうが、訳すと
「通常ネ
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