ローリエ(月桂樹の葉っぱ)/道草次郎
それはまるでかなしみの全方向へのエクソダス(離脱)とも
稚児みたいな可愛い中性子をまとった静電気の季節がまたやってくる
星雲もまた一本の塩ビ管だと先生が言って
それに生徒が素直にうなずく凩の吹く頃
ところで夢の断片の縫合が必要だから
きっと夢遊病が流行るんだろうね
でも文明はやっぱり大したものだ
付けっぱなしの電気毛布は戻ったら優しさを人類に与えてくれてる
人生はしょっぱい北の海の海水みたいだね
ぼくはなんだろう毒のない深海のクラゲの子分になりたいかな
そう、子分がいいのさ
ぼくはあの日、ローリエの葉を咥えた鳩で
君に希望の大地をわたしたんだよ、たぶん
まあ
そんな思い出話もあっていいだろ?
戻る 編 削 Point(1)