眉のあたりにすずしさの残る少女みたいに/須賀敦子とその「詩集」について/渡邉建志
 
をつぶさに理解していった。あなたの仲間であった、ダヴィデ神父の作る詩に対しても、形式面についてから辛辣な批評を行っている。「彼なりの読者層に支えられた詩人」だが、「それ(引用者注:レオパルディやウンガレッティからの影響)が本人に意識されていない分だけ作品の弱みになっている」「とくに近年の作品は、饒舌にながれ、形式の弱さがめだつ」(『コルシア書店の仲間たち』)と。
そして、現代詩、とくに日本のそれに対してはもう、うんざりしていた。
「柔らかさと詩(それは官能と詩というもう一つの私たちがうんざりしている低調な組み合わせにつながる)をとかく同一視したがってきたこの国(引用者注:日本)の現代詩の伝統の
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