リフレイン・リフレイン/おろはげめがね
 
冬の匂いがした
灯りの下の家族の匂いと雪になる前の雨に濡れた石の匂い
マフラーに染みついた乾いた体の匂い
生きるのは恥ずかしい事だと思っていた頃
全ての同い年から置き去りにされた様な焦りと孤独
その裏にあった幼い選民意識
世界中の不幸を一人で背負った様な夕暮れ
列車の中で自分の襟元の匂いを嗅ぐ
冬の匂いがした
そんな瀕死の青春を送っていた
そんな青春を送っていた
紫の光の中では花びらは舞い永遠に散らない
詩を盗んだ
悪の華
その時、詩に呪われた
死は一面の表現でしかなく、愛の一側面なのだ
そう思い、詩を盗んだ
呪われたんだ詩に
呪われたんだ詩に
だから、美しいものやそれ以外のものを愛す
しかない
春になったら、雨の中をゆっくり歩く
美しい雨の中で死にたい

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