言葉と詩についてのメモ/道草次郎
 
されるか。否定される。でもそれで構わない。それどころか、それが望ましい。何故なら、思考するとは何らかの流れに列席する事だから。

考えることは、じつはとても少ないのかも知れない。思考の網は無限に拡がっているように見えるが、その実、数少ないポイントを残し他は飾りに過ぎないのかも知れない。そういう考え方もあり、そういう考え方を考えさせるのもまた言葉なのだから、その言葉というものの不思議さは本当に不思議だ。

そして、言葉の徹底的した鏡面原理。言葉は自分が寛容でなくても、というか自分が何者でなくとも、なにものをも抱き込める。そういう無限のエネルギーの場を言葉は持っている。それは、たぶん「存在」と
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