あと3時間で死にますので、その辺よろしくお願いします。(短編小説)/月夜乃海花
 
「お客様は残り3時間で亡くなります。その辺よろしくお願いします。」
某所、M区にあるフレンチレストラン。僕は彼女の光希(ミツキ)と来ている。
「いや、どういうことだよ。」
俺は思わず怒鳴り声をあげてしまう。
周りの客はこちらのテーブルを見て、コソコソと話している。
「ちなみに私は残り5分で亡くなります。その辺よろしくお願いします。」
「えっと、どの辺がよろしくなのかわからないので出来ればどういうことなのか教えてもらえないでしょうか。」
光希は淡々と俺の思っていたことを言語化してくれる。どんな時も慌てず、何よりも強く、そしてたまに遠くを哀しげに見つめるその何とも言えない切なさに思わず心
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