ホストクラブで働こうと思った時/板谷みきょう
 
してるけれども
客は女じゃなくて男が相手

・・・えっ?

「あのぉ〜
ボクはそう云った趣味は無いんですけど…」

『あぁ。それで良いんだ。
それじゃなきゃ、お客とネンゴロになって
お金にならないからね。
うちの店で働くモンはみんな
お金の為と割り切って働いてるんだよ。』

断るにも狭い店内に二人きりで
強面の筋骨隆々の店主だから
怖気づいてしまい
断る言葉が見付けられない

そんな時に
突然、店の電話が鳴った

店主が電話を取り
話しだして驚いた

今までとは
打って変わって
見た目とは、大違いの
オネエ言葉なのだ

ボクは男性相手に
体を売るようなことが
出来ないことを告げて
店を後にした

それから濡れ手に粟の
泡銭を求めて
ススキノで働こうとは
思わなくなった
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