僕と誰かの狂詩曲(ラプソディー)/月夜乃海花
 
耗弱(こうじゃく)せよ
己(おのれ )が故ゆえの過ちなり
絶えず尼が故
汝自ずと死に導きたり

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Zero is Yearning for Xanadu
桃源郷を乞い続ける無(ゼロ)


赤と呼ばれていた少女はいつも水仕事をしていた。常に里親に殴られた青痣や赤い顔面は涙のせいか、寒さのせいかわからなかった。


いつも傷だらけの君に僕は「逃げよう」と言った。君は首を振る。
「負けたくないの。あたし。こんな奴らに、いつか見返してやるの。」
ただ、笑う君は今日も目と顔が紅く染まっていた。


嘘だ。赤が盗みを働く訳なんてない。絶対あいつ
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