11月1日所感(つれづれ)/道草次郎
し」という言葉を考えられずにはいられない。この言葉を知った時は、はじめは正直よく分からなかった。今でも分かったかと言われれば勿論それまでに達してはおらず、その言葉の周りをぐるぐると鳶のように飛んでいるばかりだ。しかし、「自分は地獄にいくヤツだ」と本気で言い切った人間が、八百年以上前のこの日本に居たという歴史的事実に心を揺さぶられない者がいない方がおかしな気もする。
しばしば、寝転がって書いた秀逸な詩と脂汗かいて立ったまましたためた平凡な詩、そのどちらが一体本物の詩だろうかと思う時がある。こういう問いは普通、問われる前に排除されてしまうけれど、何度考えてもまた考えてしまう。それを否定することが
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