11月1日所感(つれづれ)/道草次郎
 
。随分昔からぼくは自分がこの生に相応しい存在ではないと思えることがよくあったものの、実際に死すべきものであると言われたことは無かった。しかし、そう言われてしまうと、「そんな事はない」と反発する気持ちも湧かなかったし、ひどくショックを受けて落ち込むということも無かった。ただ卑屈な微笑を顔に湛える事しかできない自分がそこにはいた。その時、ああ自分というものの本性はこの微笑なんだなと思うと同時に、この微笑を宗教的な何らかの意識と結び付けることは精神の怠惰である気がしてならなかった。色々あったものの、とりあえず今ぼくは生きている。そしてこれからも生きていくと思う。そして、マゾヒズムでなくして自分を罵った人
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