此処乍ら/AB(なかほど)
 
星/女児の日々も夢ゆめ/婆にもなりし面に/
           さてもさても/幣振る巫女も/昨日一昨日先一昨日/
           野辺の送りの近づきぬ/御仏忘るる/奴となりし夫の顔も/
           徒然眺むる/此処乍ら/永久なり想ふ節もあり/
           何に笑ふ何に啼く/無始の無辺の虫さへも/命は誰を待つものか/
           日出る島とて日落つ/今日儚しとて今日愛しと暮らすこそ/
           累葉の祈りなれ




  

  
戻る   Point(1)