三篇の未詩/道草次郎
 
「入眠儀式」

示唆でないものはないので
つかれたので
しばらく真っ白な部屋です
紅茶を淹れると
ホオジロザメが来ます

リポDを飲む
膀胱の内膜が黄金の穂波でなくして
ゴッホです
弟が泣いて兄は死んだ
順序など所詮どちらでも

諸島という所にいこう
とにかく諸島で貝殻を拾う
それから朝焼けを
グリルで焼いて
プランクトンに乗って本土に帰るんだ

猫をころした
だって猫は死ぬものだから
だから猫はころした
ころさない猫などいるのか
猫などいない
ころしたか
ころさないか
だけが意味の逆鱗がのこる

ころげ合う歴史の空に
雲の牧師がたゆたい
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