銀河硝酸銀/道草次郎
 

曲芸士が
夜なよな食べるのは
形容動詞のサラダ巻き
ナイフとフォークの
かたかたいう音

燐寸を擦ると
燐光一つ分の銀河が
またひとつしぼみ

地衣類と結託した
カラスノエンドウ
が繁茂する惑星には
語弊のハリケーンが
随時生成され

白んだ夜明けを
かいくぐる骸骨の群れ
動的に静的に
早蕨にクズの花に

(インドネシア天然痘粗忽
シリウス連星不泊
無稽無碍時々刻々

うらをみせおもてをみせてちるもみじ
サウイフモノニワタシハナリタイ
すみれほどなちいさきひとにうまれたし)


ほら奈落はすぐそこだ
枕頭に雷滝
霞がかった?
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