詩と詩文(秋の感慨)/道草次郎
「瑠璃色の原理」
庭は秋の猖獗
秋桜のはなびらを数えたら8枚だった
8は傾ければ∞そういえば
秋桜のはなびらには
ところどころ
微細な穴があいていて
その穴の淵にさらに微小の生物がいて
深淵をのぞいていた
なもなきその生物にも瑠璃の排他性
かれの深淵も
かれを覗きかえすだろうか
「秋式」
イコールの両側にあるものへ
季節が指さすと
6と9が木の葉のように舞う
15のこがね色が秋にふる
左辺を抱きしめれば
笑う右辺のおとないをしる
把握の深まりと
地球の脱穀
「エピグラム」
揶揄の湯気が立ち込めた
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