言語爆発2/
につき
咲いている
香りは爽やかに空へ
ひとりきりが嬉しいこと
たとえば
昼下がりの光りに
形見の茶箪笥の
黒檀は艶めき
沈黙のまま微笑むこと
こころは去らず失われないこと
たとえば
冬が近くなり
ハナミズキが赤い実をつけても
なお大きな柘植が
真緑のままの葉でいること
冬の陽にも
岸壁の松が深緑に光ること
姿なく
形のないことを誰かに
伝えようとするとき
言葉に最初の火が灯る
小さく
或いは
思いもかけずに大きく
我らの言語はいつも爆発している
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