卵焼きの思い出/道草次郎
人間てそういうものなのか
そもそもそれは考えるに値しなさそうだけど
とにかくさ
ぼくは君を理解しようなんて一度だって思わなかった
君が何を言っても
ぼくはそれなりにショックを受けはしたものの
君の存在だけを感じようとした
そういうとてもとても傲慢な男だ
今言えるのはこれぐらい
だって
詩ではなんにもならないんだから
ぼくは詩でないところでがんばります
でも詩を書いていて
いいことはひとつある
それは
自分がどれだけバカなのかが
詩を書かないときよりもほんの少しだけわかるような気がするんだ
だから書くんだよ
そういうことの必要な人間がいることを
死ぬまでには君に知って欲しいななんて思いながら
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