霊感体質の先輩看護婦さん/板谷みきょう
 
いたことを知った

霊安室の階を巡回していたら
線香の匂いがしていて
話し声が聞こえてくる
そして
必ず翌朝には
亡くなった患者がいる

病院理事長の耳にその噂が入った頃には
放置できない状況になっていたらしく

事務長が
今度、病院で浄霊供養をすることになった
費用が三十万円も掛かると嘆いていた

かの看護婦さんまでが
色めき立って浄霊について語り出し
病院事務、医局、薬局、病棟の
医療関係者が参列する中
無事滞りなく
浄霊供養は執り行われた

暫くして事務所で見付けたのは
病棟の夜勤看護婦の噂の
聴き取り記録だったのだが
何気なく日付を見てた
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