美しくも輝きもないのに/こたきひろし
朝、車で通勤の途中の細い道端に咲いていた白い秋桜の花が何本か根本から倒れてました。
そこは大東宅建の集合住宅の駐車場の前でした。
倒れている秋桜の花の姿を見て、倒れている人の姿を想ってしまった私は、私の神経は複雑に捻じれているのかも知れませんでした。
昨夜遅く。一緒に寝ている妻がしきりにうなされていました。
それで私は眠りを覚まされました。
それが悲鳴をあげているようなすすり泣いているようなうなされ方でした。
よぼど悪い夢でも見ているのだろうと思いました。可哀相になり、悪夢からいったん開放してあげたくなりました。そしてふたたび眠りにおちれば次は良い夢を見れるかも知れないと思ったから
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