コントレイル/花形新次
 
京都淀の3000mに
一筋の航跡雲が走るのを
僕たちは
不透明な世界のこちら側から
じっと見ている

一年が何もなく
このまま終わるなんて
信じない

僕たちのこの
不幸な時代にこそ
英雄が必要なんだ

コントレイル

青みががった
おまえの身体が
風を感じるとき

僕たちは
僕たちにとって
本当の美とは何なのか
知ることになるだろう

そしてつまらなかった時は
おまえの叙事詩が刻まれることで
鮮やかな歴史に生まれ変わる

コントレイルよ
さあ準備は出来ているか

フライトはもうすぐだ








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