見えないのか、舞台はすでに準備を整えている/ホロウ・シカエルボク
みを呼び覚ます、痛みは麻薬を乞い、俺の思考は溶け、体内に蔓延していく、ほら、生まれる、痛みの中から、ほら、生まれる、破壊の中から、零れたばかりの血を啜れ、最も素早い遺伝、俺は俺の転生、一生なんてたったひとつじゃないー立ち上がれ、声を上げろ、自分で築くもののことを忘れてはいけない、自意識は形になることを望む、それが本当は決して目に見えないものだから、どこにも、なにも残されることのないものだからーねえ君、ここにあるものは俺自身だ、そして、死ぬことがない、このフィールドがある限り、未来永劫、生き永らえることが出来るものだ、いつだって叫びでありたかった、本能のままに、野生のままに、けれど人間として、確かな叫びでありたかった、わかるかい、生きるためのあがきは苦しくなんかないんだ、言っただろ、それは決して切り離されることのないものなんだって、耳を澄ましていてくれ、いつか、きっとー
お前のところまで、そいつを届けてみせるから。
戻る 編 削 Point(1)