重力アリス 〜Gravity not equality〜 第二章/月夜乃海花
!わあい!」
すると、くぉーんと遠吠えをしてクオウェルは壁や道路、至る所を走りだして目が追い付かないほどにぐるぐると回っている。まるでドッグランについたばかりの犬のようだ。
「へんてこくんってなんだよ!お前こそ、へんてこというかポンコツだよ!」
私は大声で犬にツッコミをするものの案の定聞いてない。とりあえず、このポンコツ犬を落ち着かせないといけない。無意識に街灯から軽く飛び跳ねて、地面に着地した。つもりだった。
「うわっ!」
飛んだ後、地面に着地することはなかった。なんと、私は空中にふわふわと漂っていたのである。まさにテレビで見る宇宙飛行士状態だった。身体は低速で回っ
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