恐怖の輪郭/
ひだかたけし
また夜が来た
今日もまた
蠢く闇が迫り来て
私の意識を剥奪する
恐怖の時、広がって
ざわめく空間の鼓動は荒く
不動の尖塔は時を串刺す
徘徊する黄色い犬達の
赤い舌がぬらぬら波打ち
名ある全てを呑み込もうと
咽頭の奥まで震わせる
剥き出し恐怖の輪郭を
これでもかと見せつけながら
また夜が来た
今日もまた
蠢く闇が迫り来て
私の意識を剥奪する
恐怖の時、広がって
のっぺらぼうの匿名が
在ることの呪いを押し開く
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