記憶/水宮うみ
 
風のようにたくさんの場所を通ってきたから
ぼくらの言葉に、風景が滲むことがある

暗くなっていく夕方や遠い電車の音に、あなたを思い出すのは
あなたの声が、その景色を映していたからなんだろう

風景に、あなたの声を見ていた
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