詩を書けなくて/こたきひろし
 
詩を書けなくて困ってる
詩を書けなくて焦ってる

なのに
頭の中の宇宙には
相変わらず詩の埃が立ち上り
降り積もっていく

詩はけして無毒じゃない
毒を持っている

詩人はその毒を盛られている
微量だから
たいがいは
気付かない

勿論
気付く人もいる
気付いてしまうと
その分だけ
悩み苦しまなくてはならない


詩を書けなくて困っていた
詩を書けなくて焦っていた

あれっ
詩をかいている
私がいた

そう言えば
私は詩人じゃない

詩人を装ってる
だけだった

生き甲斐を持たない私が
ひたすら
死ぬ迄の暇つぶしに

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