『大成功』/道草次郎
『大成功』
一章「ファースト・コンタクト」
観測者は一つの装置を螺一本なしに頭の中に組み立てあげた。千の昼と千の夜のあいだ遥か頭上では銀漢は廻った。惑星は星座の間隙を七曲に裁縫した。観測者は一つの逢着をみた。逢着に過ぎないそれはきわめて内的なものであった為、誰にも気付かれることは無かった。
観測者は全く同一の存在が存在しえないという事情をよくよく鑑み、それを勁く想った。浩瀚な書からの助けも幾らかあったが、殆どは独力でそれを成した。ついに、「そこ=秘私性(?)」から滲み出すように出てくる混ざり汁の成分分析を試みるに至ったのだ。そこに見出されたのはなんと「嫉妬」という要素であった。そ
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