地面にぽっかりと/お菓子のポリ袋 他/道草次郎
明日へ架ける橋』を聴きながら
思う
超えるなと
主観
どういうふうにも取られるとは
どういうことか
肩を叩かれ振り向くと
貫きたがりな
普遍が
顔を顰めている
「まなこの勝手」
ハナミズキの赤い実をオナガがつついている
たくさんのオナガが
たしかに尾が長い
だからオナガか
五匹六匹と増え
いつしかオナガだらけ
尾だらけ
やっぱりオナガは一匹でいい
そして
尾は一本がいい
そういう
まなこの勝手である
「色なき風へ」
ぼくは自動販売機
コインを入れたら出せるから
ぼくは神社の賽銭箱
小銭を集めて泥棒を待つ
ぼくは奈落の底
上を見上げて星に恋する
ぼくは獣の牙の先
肉で摩耗をしてしまう
ぼくはハナクソ
鼻腔に篭って幾星霜
つくづくここは秋の果て
絡まりながら朽ちながら
野葡萄の実は虹の色
色なき風の行く先へ
ああ
ぼくも舞いたい
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