地面にぽっかりと/お菓子のポリ袋 他/道草次郎
 
「地面にぽっかりと」

地面にぽっかり穴が空く
空がおちてきて穴に吸い込まれてしまう
緑色のなだらかな傾斜を目で歩く
すると 山麓は蒸発してしまう

自由と自分と詩魂と
それは

批判の湖畔に釣竿をたらす
餌をつけ忘れて
はじめて純化できるつばの帽子

否定と逆説と握手
それは

だからもう比喩はいわない
つかれた翼がみえないか
おぉ
星はとおくで 費やしている



「偽佛」

あまり遠くても近くてもだめだ
おどろく
何事もそうだから
真理はくすんだトイレマットにさえ
転がっている
あるいてはじめて
あるくことがわかる

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