かけない手紙を 他/道草次郎
るが
仕草や性格、尻尾の角度に至るまで
ぜんぶ計算ずくなのは知ってる
おまえらが夜の空き地で
夜な夜な会合を開いてるのを知らないとでも思ったか
人間へ
ふざけるなよ全く
おまえにはホトホトあきれた
お前に比べたら時計も星の光も猫もまるで聖人君子だ
頭がでかすぎるぞまず
それから毛量が少なすぎる
筋力をどこに置き忘れた?
指ばかりうようよとああ気持ち悪い
喉の具合はどういうことだ
なんであーだこーだと
用でもない言の葉を散らかすか
ほら箒だ
さっさとそれで綺麗にするんだ
そしたらおまえはずっと静かでいろよ
それがおまえのためだ
心しろよ
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