残照の中のつまらない対話/道草次郎
 
それを認識するように、コトバを浴びた。
 内在するニュートリノと寂寞。
 ぼくはまた歩き出す。今度は僕自身の秋の土壌を、想念の長靴で。
 「お前の言っている事はその通りだ。今のこの有様は、あんまり灰色すぎる夢のようだ。でも、人の心はとどまらないしそれは波打つ穂波か、不規則な心電図のカウンターみたいなものだ。こうしてここに立ち、目を瞑り、立ちつくすのことにも何かしらの意味がある。それを信じることにだって、きっと意味がある・・・」

 気が付くと、あたり一面は殆ど暗くなっていた。月も無いので影もみえない。黒い草や淀みのようなものがあちこちに点々とあるのみで、心は虚しさを爪弾かんとピックをまさ
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