振り返ること?/道草次郎
至難の業であるという事だ。なかなか独り部屋にいてはそのボタンがどこにあるのか分からないのが普通だから。
新しい感情を発見する為に、たぶん人は外の世界に出ていくのではない。おそらく人は自ら発見した素描のような直覚に想像力の肉を施す為にこそ外に出るのだ。今は何となくそんな事を考えたりする。これは間違っているかも知れないが、別に間違っていても一向に構わない。そう思えたという事それ自体が収穫であり、人生のスタートラインに立てたという自覚こそ自分が求めていたものだったからである。
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次回へ続く。
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