射殺する勢いで立っている/カンチェルスキス
 



 毎日の時刻を時計から知る
 象徴的な出来事は
 何層ものモノクロとカラーフィルムでできている
 片腕を通したままちぎれた
 ジャケットの裾が吊るされている杭の落とした影
 射殺する勢いで
 残された肉体が立っている

 

 激しい分裂のあとで生まれた
 解読できない液体の全記録
 研究対象になる分野での破壊が繰り返され
 階段で息詰まった馬の蹄が赤く染まる
 管の中を回転しながら落ちる
 液状化から固形化



 ビルの窓から向こうの窓の間に
 人の姿は見当たらない
 窓から窓へ吹き抜ける風
 腹式呼吸でよみがえる地平線
 午後でも午前でも夜でもない



 毎日の時刻を時計から知る
 立っている
 物事として立っている
 明かされない肉体の
 射殺する勢いで
 立っている




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