足踏まれたら倍返し/こたきひろし
 
若くて血気盛んな頃
私の作品のテーマは
反戦と平和だった

だけどね
本当はさ
すべては中身のない嘘っぱち

空回りばかりの
風車

何だか
カッコよくて
見栄えが良かったから
選んだだけなんだよ

でもね
確かに
人生のあっちこっちには

得体のしれない草薮があって
その中に
地雷がかくれていたり
誰かの仕掛けた落とし穴が待ちかまえていたりするから

この人生も戦争だって
間違いなく知ってるけど

この戦争に打ち勝つ為には
平和なんて
スローガンにしていたら
ただの負け犬になるしかないだろう

弱虫になり下がるのがたえられないなら
武器を手に入れるしかないじゃないか

手に入れた武器を有効に使う強い意思に
目覚めなければ

下手をしたら
路上にはじき出されて
寒空の下
彷徨いたくなかったら
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