とくにない/道草次郎
あまりに多くの悪徳を重ねてきた
まともな頭ではもうない
精神の波はあまりに高かったり低かったりする
地べたをはうようだ
もうじぶんはいい匂いの、きのう庭で見たシュウメイギクや金魚草のやさしさのような
いいものを自分へ送れそうにない
それからじぶんの大事な人へもおくれそうもない
そらい
つらい、と書くともっとつらいから
空のイメージと重ねる
そらい
きょうはもう一日死んでいるかもしれない
だれもみな苦しんでいる
だめになった
じぶんはそろそろだめになった
12時間般若心経を唱えていた
もう、てつがくしかないんだなとおもってみても
しあさってからは元気にならなきゃ
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