何となく日々は過ぎていく/こたきひろし
りながらそうはいかないと断固否定した。
知らないよ!出てってくれ!
と怒鳴った。俺があんたの娘のパンツを盗んだとでも言うのか!と続けながら全力で追い出した。
もし、この騒ぎを周囲が聞いて誰かが警察に通報でもしたら大変になると恐怖になりながら必死になった。
第一あれは俺は何も悪くない。彼は思い返しながら、反面自分を叱責した。
叱責しながらも必死に弁解を重ねる自分が、彼の中に存在した。
盗んだんじゃない。何でか知らない。部屋の前に落ちていたのだ。
そのままにしておいたらとんでもない事になると拾うしかなかったのだ。
拾得物として交番に届けたらきっとあらぬ疑いがかけられると思った。
ましてや持ち主かも?と思われる隣りの部屋の住人に持って尋ねたら、確実に変態扱いされて通報されるに違いない。
バンティ一枚。女性の秘部を包む布だけに絶大な効力を持っていたのだ。
それは魔物だ。魔物以外の何物でもない。包む中身を超越し、男を狂わさる。
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