何となく日々は過ぎていく/こたきひろし
 
めてだが何度か見たことはある。品を感じられない年配の女が立っていた。
 変な事聞きますが、私の娘の下着を知りませんかね?
何のオブラートにも包まないでいきなり言ってきたのだ。
 パンツ一枚なんですけど無くなってしまいました。もしかしたら知らないかと思いまして?
言われて彼は即座に否定した、知りませんが!声を強めて言った。知っていたら犯罪者にされてしまうからだ。
 今なら誰にも言いませんよ。正直に話してくれるなら、ですが。
女は優しく畳みこむように言ってきた。彼はその物言いに縫い針を刺されるような怖さを覚えない訳にはいかなかった。責め立てられているようで、言ってしまいそうになった。なりな
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